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野菜・果物の健康維持機能に関する研究動向
 
 5.果物の機能性に関する研究動向

g. ノビレチンと美容

ノビレチンなどポリメトキシフラボノイドに様々なメカニズムに基づくがん予防機能が期待されることを別途紹介しています。ノビレチンなどはそれ以外にも美容への貢献も期待できる機能がいくつか報告されています。

近年、地球のオゾン層破壊に起因して紫外線が急増し、皮膚の障害や発がんが心配されています。この障害の対策は一般に紫外線を吸収する素材を使用して、皮膚を防御することが行われます。これに対してノビレチンなどポリメトキシフラボノイドは、全く別のメカニズムに基づく皮膚の障害防止が可能です。

皮膚が紫外線を浴びますと皮膚の細胞中にアラキドン酸回路の酵素系が誘導され、プロスタグランジンE2が作られます。このプロスタグランジンE2は皮膚細胞に炎症を起こさせる働きがあって、赤く腫れ上がらせ(紅斑)、サンバーンを引き起こします。さらには、しみ、表皮細胞に肥厚、ひいては皮膚がんの原因ともなります。

ノビレチンにはリン脂質が分解され、アラキドン酸を生成する酵素(細胞質リン脂質分解酵素))阻害し、さらにアラキドン酸からを生成する回路のキイ酵素である誘導性シクロオキシゲナーゼ(COX-2)が紫外線で誘導されるプロスタグランジンE2を抑制します 1)。その結果、紫外線照射による障害を、紫外線吸収とは別のメカニズムで予防できるのです。

このようなノビレチンによる炎症の抑制は、そのメカニズムの解明が進められていますが 2)、ノビレチンの炎症抑制効果は紫外線の照射によるものに限ったものではないため、炎症が原因となっているがんなどの他の疾病の予防との関連についても理解が進むものと期待されます。また、炎症の発生により、過剰に生成される一酸化窒素は、炎症を悪化させる要因にもなっていますが、ノビレチンは一酸化窒素の生成を抑制することも報告されており 3)、過剰な一酸化窒素による傷害から生体を守ることが期待されています。

また、ノビレチンは皮膚の老化によるしわの原因となる細胞外基質分解酵素(マトリックスメタロプロテアーゼ)の産生を抑制する 4)、あるいは皮脂の生成を抑制しニキビを予防する 5)、などの機能が報告されています。このように、ノビレチンなどは美容への応用の可能性をもった素材といえます。

(文責 尾崎嘉彦)

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