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野菜・果物の健康維持機能に関する研究動向
 
 5.果物の機能性に関する研究動向

k.葉酸

葉酸は、抗貧血性因子として見出され、イチゴ(90μg/100g)やクリ(74μg/100g)、オウトウ(38μg/100g)、スモモ(37μg/100g)、キウイフルーツ(36μg/100g)などに多く含まれています。葉酸の成人における一日の栄養所要量は、200μg(許容上限摂取量1,000μg)とされているので、イチゴ200gで、成人の一日の栄養所要量の90%も満たせます。妊婦は所要量に加えて200μg、授乳婦は、80μgの摂取が推奨されています。一方、アメリカ、イギリスでは、妊婦や妊娠を予定している女性は、葉酸を1日400μg摂取する必要があるとしています1)。また、葉酸は、無脳症、脳質ヘルニアなど神経管障害(NTD's)の発生防止や再発防止に有効であるとされていること2)から、受胎前後に十分に葉酸を摂取することにより神経管の発育不全の発生を著しく減少させることができると報告されています3)

葉酸が欠乏するとアミノ酸の一種であるホモシステインが蓄積し、過剰になると血管壁を損傷して動脈硬化や動脈血栓を促進し、冠動脈が狭められ心筋梗塞や狭心症などの循環器系疾患発症の危険が高まります。高ホモシステイン血症が動脈硬化を起こすのは、LDL−コレステロール(悪玉コレステロール)の血管壁への沈着を促進し、血管平滑筋細胞の増殖やコラーゲン繊維の合成の促進、血管内皮細胞の働きの阻害などによると考えられています。葉酸の摂取により、ホモシステインの血中濃度を下げ、動脈硬化や冠動脈疾患などの疾患の予防になります4)

また、米国の地域住民1,092人を8年間の追跡調査を行ったところ、ホモシステインの血中濃度が高い(高ホモシステイン血症)と、アルツハイマー病になるリスクが上昇したと報告されました5)。高ホモシステイン血症とアルツハイマー病を結びつけるメカニズムとして、高ホモシステイン血症による脳の微小血管障害、脳血管の内皮機能障害、酸化ストレスの増大など、全般的な「脳の老化」によると考えられています。従って、葉酸の摂取によりアルツハイマー病が予防できるのではないかと期待されています。

(文責 田中敬一 )

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