| 3.主な果物の生理機能 |
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l.バナナ
バナナは1万年も前から栽培されていたといわれ、人類が最も古くから利用した果実の一つです。バナナには、ナトリウムをほとんど含まず、カリウム(360mg/100g)が豊富に含まれているので、血圧降下に効果があります。マグネシウム(32mg/100g)も比較的多く含まれています。さらに、バナナには、ビタミンB6が豊富に含まれており、おおよそ1本摂取することで、1日に必要とされるビタミンB6量の20%以上を摂取することができます。
また、バナナの抽出液をマウスに与えたところ、免疫・生体防御と関係するマクロファージの活性を高め、ガンなどの腫瘍を攻撃する腫瘍壊死因子(TNF)が多く産生されたことから、免疫力を高める効果が期待されています。
コレステロールが増えると心臓病などの疾患のリスクが高まります。バナナの果肉を凍結乾燥し、ラットに与えたところコレステロールの低下がみとめられました。バナナ果肉に含まれているデンプン、タンニン、脂質にコレステロール低下作用は認められず、セルロース以外の食物繊維に認められたことから、バナナのコレステロール低下作用は、食物繊維に由来すると考えられています。
さらに、バナナには、ビフィズス菌を増やす働きを持つフラクトオリゴ糖(0.3g/100g)が含まれています。フラクトオリゴ糖は、小腸で消化されず大腸まで到達し、ビフィズス菌や乳酸菌などの栄養源になり、善玉菌が増殖します。しかし、大腸菌や悪玉菌であるウエルシュ菌には利用されないので、腸内環境を良好に保つ働きがあります。ビフィズス菌など善玉菌が増殖すると、乳酸などが合成され、腸内が酸性になり、腸の蠕動運動を刺激するため排便回数の増加と便性の改善効果が認められています。フラクトオリゴ糖を1日1gヒトに投与した実験では、排便回数の増加や便の軟化など、便通の改善に効果があったと報告されています 。また、下痢が持続的に続いている幼児(5〜12か月のバングラディッシュの男性)に、調理した青バナナを毎日摂取させると、摂取させなかった場合に比べて早期に下痢から回復することが報告されており、病院や家庭における食事管理に有効と考えられています。わが国では食生活の西洋化に伴い、直腸・結腸ガンが増加しています。ウルグアイは、直腸・結腸ガンが10万人当たり男性36.5人、女性26.1人と発症率の高い国です。疫学調査の結果、バナナを多く摂取すると直腸・結腸ガンの発生リスクが72%減少すると報告されています。 |