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野菜・果物の健康維持機能に関する研究動向
 
 2.主な野菜の生理機能

d.根菜類

根菜類ではショウガ、ニンニク、玉ねぎ、ニンジン、イモについての研究が多くなされています。

ショウガ

玉ねぎ、にんじん

126人の妊婦(妊娠16週以下)で悪心、吐き気の症状が有るヒトを対象に、ショウガまたはビタミンB6を、1日3回4日間摂取させ、悪心、吐き気の程度を観察しました。その結果、両サンプルとも悪心、吐き気の程度が有意に減少しました。特にショウガの作用の方が強い効果を示しました。ショウガ摂取で悪心、吐き気の症状が平均8.5回から5.4回に減少し、ビタミンB6摂取で平均8.3回から5.7回に減少しました1)

ショウガ抽出液の摂取は、胃、十二指腸の運動を活発にしました(ヒト対象、Micklefieldら1999)。

玉ねぎ

玉ねぎは栄養成分上特に特徴があるわけではありませんが健康への貢献度が高いといわれている不思議な野菜です。玉ねぎの中の注目されている成分としてケルセチン硫化アリルなどが挙げられます。これらはガン予防作用が期待される成分です。

Hubbardらは玉ねぎスープに抗血小板凝集作用があるか否か検討しました。健常者に高ケルセチン含有玉ねぎスープ、あるいは低ケルセチン含有玉ねぎスープを摂取させたところ、高ケルセチン含有玉ねぎスープの摂取グループで血小板凝集(血栓形成に関与)が抑制されました2)。また血中のケルセチン濃度が高くなりました2)

玉ねぎの摂取は腸内改善作用、抗酸化、肺ガン、胃ガンのリスクの軽減が報告されています(ヒト対象、Brennanら2000)。

老齢ラットに玉ねぎの果肉あるいは皮を3ヶ月間投与したところ抗酸化能が強化されました(Park et al.2007)。肝硬変ラットへの玉ネギ成分ケルセチンの投与は、酸化ストレスを軽減しました(Amalia et al.2007)。

ニンニク

150人の高脂血症患者にニンニク粉末錠剤(ニンニク400mg、アリシン1mgに相当)、ニンニクが含まれていない錠剤(プラセボ)を1日2回6週間投与しました。その結果、ニンニクグループでは、血中の総コレステロール、LDL-コレステロールが有意に低下しました3)。実験条件は異なりますが、高脂血症患者に対し脂質改善効果がないという報告もありました4)

熟成ニンニクエキスのサプリメントの摂取は、胃前ガン状態の病変を抑制しませんでした5)

Tanakaらは大腸腺腫の患者51人を対象に直径5mm以上のポリープを取り除いた後ニンニク摂取の影響を調べました。その結果、高含量の熟成ニンニクエキスを12ヵ月間摂取したところポリープの大きさと数が有意に減少しました6)

ニンジン

ニンジンジュースの摂取(2週間)は体内酸化の指標となる血中のマロンジアルデヒドの量は変わらず、体内での抗酸化作用は認められませんでした(Bubら2005)。

ニンジン由来の食物繊維は糞便量を増加させ、食物の腸内通過時間を短縮させました(ヒト対象、Cummingsら1978)。

ポテト

ポテトはその品種や調理・保存方法によりグリセミックインデックス(GI)に影響を与えました。GIとは血糖上昇係数のことでGIの高い食品ほど食後の血糖上昇率が高くなることを示します。当日調理したものより下ごしらえ後冷蔵し再加熱したものの摂取の方がGI値は低い値を示しました (Fernandesら2005)。

まとめ
  野菜名 主な含有成分 生理機能
根菜類 ショウガ カリウム、亜鉛 抗凝血作用(効果あり・なし)
腸機能、吐き気(つわり)の軽減
玉ねぎ 硫化アリル、ケルセチン 抗酸化、抗血小板凝集
ニンジン カロチン、カリウム、アストラガリン ガン予防、整腸作用
ニンニク リン、カリウム、亜鉛、銅、VB1、VB2、硫化アリル ガン予防、抗菌作用(ミュータンス連鎖球菌)、薬物代謝、脂質改善(効果あり・なし)
(文責 江頭祐嘉合)


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