HOMEへ戻る サイトマップへ VEGETABLE & FRUIT v350f200.com (ホームへ) 野菜等健康食生活協議会事務局:(財)食生活情報サービスセンター
野菜等健康食生活協議会のご紹介と関連情報 野菜摂取の目安 リンク(関連情報) リンク(関連団体)
健全な食生活における野菜果物の重要性 疫学研究で見る野菜・果物摂取と健康の関係 野菜・果物の健康維持機能に関する研究動向 野菜・果物を摂取するときの注意 野菜果物に関するFAQ

12345

野菜等健康食生活協議会のご紹介と関連情報
 
 5. 野菜フォーラム2001「がんと野菜」(2001年11月13日 東京国際フォーラム)
〜野菜の健康機能を考える〜

■ 講演から

なぜ生活習慣病になるかを知れば、野菜の大切さがわかります。
田中 平三氏 国立健康・栄養研究所理事長、東京医科歯科大学名誉教授、日本学術会議会員、医学博士、現在の主な研究分野は、公衆栄養学、生活習慣病の疫学と予防。
がんにならない為にぜひ野菜摂取を。
垣添 忠生氏 国立がんセンター中央病院院長、医学博士。膀胱がん治療の他、発がん抑制の研究に従事。専門分野は泌尿器科学。悪性腫瘍学。

■ パネルディスカッションから

野菜の摂取不足を実感できないのは、それが健康に即はね返らないからではないか。
吉田 企世子氏 女子栄養大学教授。農学博士。
野菜の一日の摂取目標値350gをとるには、加熱調理で。がん予防に野菜はサプリメントよりずっと優秀です。
石黒 幸雄氏 東京農工大学客員教授。農学博士。カゴメ株式会社常務取締役総合研究所長。
がんなどの生活習慣病を予防する鍵として、野菜の価値を見直さなければならない。
吉田 勝美氏 聖マリアンナ医科大学予防医学教室主任教授。医学博士。
野菜料理の提案、野菜の機能やトレーサビリティーの情報提供に努めます。
藤井 滋生氏 イオン株式会社。農産商品部部長。
手をかけなくても、おいしい野菜料理はできます。
村上 祥子氏 管理栄養士。料理研究家。東京と福岡でクッキングサロンを主宰。
野菜の摂取不足は深刻。アメリカのような啓発運動が急務です。
中村 靖彦氏 コーディネーター
明治大学客員教授。農政ジャーナリスト。

なぜ生活習慣病になるかを知れば、野菜の大切さがわかります。
<田中 平三氏
国立健康・栄養研究所理事長、東京医科歯科大学名誉教授、日本学術会議会員、医学博士、現在の主な研究分野は、公衆栄養学、生活習慣病の疫学と予防>

生活習慣病は、その名の通り、食事などの生活習慣が原因。

冠動脈性心疾患(心筋梗塞や狭心症)、脳卒中がどのようにして進んでいくかといいますと、危険因子というものがありまして、その要因を持っている人は、持っていない人に比べて、その病気になる確率(リスクといいます)が高くなります。ただし危険因子を持っているから100%病気になるというのでなく、持っていなくてもなる人もあり、あくまで確率が高いということです。

冠動脈性心疾患の場合は血中コレステロールとか血圧が高いとか、糖尿病、肥満が危険因子です。こういう爆弾を持って、肉や卵を多くとる欧米型の食生活で、運動不足で、たばこをたくさん吸う人が、この病気になっていくことがわかってきました。

脳卒中は、高血圧が最強の危険因子で、高血圧の人は脳卒中になるリスクが非常に高いです。たとえば食生活で非常に偏った食事をし、重労働で、お酒を飲む人が高血圧になり、脳卒中につながっていくということがわかってきました。

がんの場合は、危険因子というのはなく、生活習慣、特に食生活と喫煙が原因だとわかってきました。
以前は、検診によって危険因子とがんそのものの早期発見と早期治療というのが予防だったのですが、今は、適切な食事を営んで、危険因子を持たないようにしよう、がんを予防しようという時代です。それで生活習慣病と名付けられたのです。

野菜が生活習慣病を予防することを多くの疫学的研究が物語っています。
「野菜と冠動脈性心疾患に関する疫学的研究」では、生態学的研究8論文のうち7論文が、症例対照研究では3論文中3論文すべてが、またコホート研究(※)では10論文中7論文が、野菜が心筋梗塞の予防になるとしています。

また「野菜と脳卒中に関する疫学的研究」では、生態学的研究3論文のうち2論文が、コホート研究8論文のうち7論文が野菜が予防になるとしています。

さらに「食物・栄養とがん」に関する調査結果(表1)では、野菜が、ほとんどの部位のがんの予防につながることがわかります。

なぜ野菜が生活習慣病の予防に役立つのか。それは野菜に含まれている種々のファイトケミカル(植物化学物質)が有効だからと考えられています。もちろん従来からいわれている食物繊維、ビタミンCやE、葉酸、カリウムなどの効用もあります。ですから一日野菜を350g。ただし主食のご飯、主菜 の肉、魚と一緒に副菜の野菜を十分にバランス良く取ることが健康と長生きにつながると思います。
※仮説を検定する研究のこと。たとえば今野菜を食べている人、食べていない人を調べておいて、10年以上後に胃がんになったかどうかを調べ、リスク比を出す。

  PageTop

がんにならない為にぜひ野菜摂取を。
<垣添 忠生氏
国立がんセンター中央病院院長、医学博士、膀胱がん治療の他、発がん抑制の研究に従事、専門分野は泌尿器科学、悪性腫瘍学>

3人に1人ががんで亡くなっています。
がんは、‘81年から死亡原因の1位になり、どんどん増えて(表2)今では年間約30万人、3人に1人ががんで死亡しています。

表2

主要死因別にみた死亡率の年次推移(抜粋)

表2

資料:厚生労働省「人口動態統計」より

人間の体は60兆個の細胞からできていて、その1つの細胞の中には核があり、その核にはDNAがあって、その上に約3〜4万個の遺伝子が乗っている。その中にがん遺伝子とがん抑制遺伝子が約300個くらいあると考えられています。がんになるのは、がん遺伝子が活性化するか、がん抑制遺伝子が不活化するか、あるいはこの組み合わせで正常な細胞ががん細胞ががん細胞になるためと考えられています。

数十年前は胃がんや子宮がんが多かったのですが、今は肺がん、大腸がん、乳がんなどが増えてきています。なぜがんのパターンが変わったのかといいますと、それは生活習慣が変わったからです。
がんの原因としては、だいたい喫煙が30%、食事が35%、ウイルスなどの感染が10%くらい関係していると考えられてます。食事では塩辛いものとか、うんと脂っこいものが良くないわけです。焼けこげは避ける、食べ過ぎない、というのも大切です。そういうわけで合計75%、つまり原因の3/4は、私達の日常生活に深く関係するものと考えられます。

がん発生のメカニズムを簡単に説明しますと、タバコの煙や食物の中の微量な発がん物質などで、正常な細胞のDNAに傷がつく。その細胞がふえてくる途中で2番目の傷がつくという形でだんだん増える。正常な細胞ががん細胞に変わるのはおそらく遺伝子の傷が6つとか8つとか、場合によっては10個ぐらい積み重なってと考えられます。がんは、長く時間がかかって発生する慢性の病気なのです。
 長期にわたる誤った食生活の先にがんが。

1本のタバコを吸っていると、煙の中にはきわめて微量ですが、20種以上の発がん物質が混ざっています。1日20本、それを20年、30年続けた先で肺がんにつながると言うのはなかなか想像しにくいですね。でも、このタバコはおいしいなとか、誤った食事をおいしいな、と続けると何十年も先に、さまざまな生活習慣病が控えているということを、ぜひイメージしていただきたい。

野菜の機能を調べますと、「生活習慣とがん」に関する調査(表1)では、いろいろながんに対して野菜が危険性を下げるという結果が出ています。

表1

表1

資料:「世界がん研究基金・アメリカがん研究財団報告書」より

「野菜・果物摂取による肺発がん危険度の低下」と言う研究では、生野菜や果物をとるほどがんが減るという関係があります。ただしβカロテンを30ミリグラムとか薬として大量にとると肺がんのリスクが逆に上がってしまったという調査報告があります。食物としてとるのはいいけれど、薬で大量にとるのは危険度が高まることが知られてきました。

野菜の食物繊維のセルロース、ペクチンなどは、いろいろな野菜類や豆類などに含まれており、これもがん予防成分として非常に大事です。

「発酵豆乳によるラット乳発がんの抑制」と言う研究では、豆類が発がん抑制に有効という結果が、また「ネギ属野菜の消費とがん予防の疫学研究」では、胃がんや大腸がんに対する予防効果が出ています。
野菜の摂取不足が、がん増加の一要因かも。
野菜の摂取量は、アメリカでは‘85年から増加しており、逆に日本では減少しています(表3)

表3

野菜一人当たり消費量[kg/年]

表3

資料:農林水産省「食料需給表」、FAO "Food Balance Sheet"より

もしかするとこれが、日本ではがんが増え続け、アメリカでは減り始めていることの1つの原因かもしれず、野菜摂取は非常に重要です。

  PageTop

野菜の摂取不足を実感できないのは,それが健康に即はね返らないからではないか。
<吉田 企世子氏 女子栄養大学教授。農学博士>

20 代の野菜摂取量が非常に少ないのは、若者たちは一握りの野菜で食べたつもりになっている場合があり、野菜の量的な把握ができていないのではないかという気がします。野菜不足であっても今すぐそれが健康にはね返ってこないことが、野菜のとり方が少ない原因かと思います。野菜は、それぞれ優れた面があり、微妙なおいしさを持っている食品です。その味がわかる味覚を育て、量的な問題も解決するためには、結局、家庭の中で、大人が子供のためにおいしく楽しく食べる雰囲気を作ることが大切です。食事は家族の命を育むと考え、お料理を作る努力をしなければ、と思います。

私は10数年前にアメリカと日本のブロッコリーの成分比較をしたのですが、収穫した後に輸入に10日以上かかっているためでしょう、甘み成分は20数%、ビタミンCは20%、アメリカから輸入したほうが少なかった。これは、店頭のものの平均値です。一般的に野菜の成分は旬のものが含量が多い。また、収穫後の変化が大きい。ですから国産の、自分の住んでいる近くで収穫されたものが一番内容がいいと私は思っています。

  PageTop

野菜の一日の摂取目標値350gをとるには、加熱調理で。がん予防に野菜はサプリメントよりずっと優秀です。
<石黒 幸雄氏
東京農工大学客員教授。農学博士。カゴメ株式会社常務取締役総合研究所長>

一日の野菜の摂取目標値350gは、生だとかなりカサ高で、これを毎日とるのはむずかしい。私は、野菜は生のサラダでという特に若い女性の誤った生野菜信仰が野菜不足の一要因ではないかと思っています。ビタミンCは、加熱すると多少こわれるけれど、カロテンなど加熱で吸収率が高くなる成分もあります。いろいろな種類の野菜を、カサが減る加熱調理でたくさんとるべきです。これを、「野菜摂取5か条」として実施できればと思っています。

「野菜摂取5か条」  
[1] 少なくとも一日350gの野菜を。
[2] 緑色・甘い・生が良いというのは間違い。
[3] 旬の野菜、完熟野菜をとろう。
[4] 葉果茎根の野菜をバランス良く。
[5] 生ばかりでなく、煮る、焼くなどでいろいろな野菜を。

伝統的な料理の多い南イタリアではトマトの摂取量が多く、がんは非常に少ない。調べてみたところ、トマトは大腸がんを予防する(※)ことがわかりました。トマトに限らず緑黄色野菜は、いろいろながんに予防効果があることがわかっています。

野菜は、がん予防において、色々な局面で総合的に働くことから、サプリメントよりずっと優秀です。野菜に含まれる水溶性のビタミンCは細胞外で、水と油の両方に溶けるフラボノイドは細胞の境界面で、さらに油に溶けるカロテノイドやビタミンEは細胞内で、がんを予防してくれるのです。

※「ラットに対するトマトジュースの大腸がん発ガン抑制効果」秋田大・カゴメの共同研究。トマトジュースを飲用したラットは24匹中5匹(21%)の発生率だが、飲用しなかったラットは24匹中13匹(54 %)の発生率になった。

  PageTop

がんなどの生活習慣病を予防する鍵として、野菜の価値を見直さなければならない。
<吉田 勝美氏 聖マリアンナ医科大学予防医学教室主任教授。医学博士>

わが国の病気の状況を見ますと、がん、心疾患、脳血管疾患が多い。日本は世界に冠たる長寿国ですが、80 年という寿命で考えますと、最後の約6〜7年健康寿命が短いです。つまり生活習慣病の人が多いわけで、国民の医療費が上昇していく原因になります。

がんの発生要因を見ますと、喫煙が30%、それ以上に食物が35%を占めています。がんにならないように予防という前向きなアプローチをするには、野菜の価値を見直さなければならない危機的状況にあります。

アメリカでまとめられた「食品・栄養とがん予防」(アメリカ NCI)でも、 〈植物性の食品を中心に〉〈野菜、果物を400〜800グラム〉〈総エネルギーの約半分を野菜から〉〈動物性脂肪を控える〉といった項目が挙げられています。

また食べあわせという点でも野菜の健康機能は見逃せません。同じカロリ−をとるにしても野菜と一緒に食べるとゆっくり吸収され、膵臓への負担も少ない。野菜は、がん以外の国民病である心疾患、脳血管疾患などの根底にある糖尿病の予防でも注目されています。
野菜は、いわば21世紀の国民の健康作りの鍵です 。

  PageTop

野菜料理の提案、野菜の機能やトレーサビリティーの情報提供に努めます。
<藤井 滋生氏 イオン株式会社。農産商品部部長>

 「一日5種類の野菜・果物をとろう」というキャンペーンをお店で行っています。そのイベントの一つが野菜に親しんでもらえるようにと考えた収穫体験ツアーで、この夏小学生160名が嬬恋でキャベツを収穫しました。今度はスーパーマーケットツアーをやる予定で、青森下田の子供たちが私どものお店にやってきます。どんな野菜がどこから運ばれ、どのように売られるか。お店の売り場が、直接野菜を見て勉強できる食育の場になればと思っています。

先日秋田のきりたんぽという郷土料理を、TVコマーシャルと店頭での料理提案として行ったところ、この料理に使うゴボウ、ネギ、セリ、舞茸などの野菜がよく売れました。今後も関西のはりはり鍋とかみずなをたくさん使う鍋など、野菜の摂取に役立つ料理提案をどんどんしていきたいと思います。
またTV番組で健康に良いといわれた食材の売上が一時的に伸びたりはします。でも野菜を提供する側として私達がすべきことは、まず、できるだけ新鮮でおいしい野菜を、いつでもほしいときに消費者の皆様がお値打ちに手にできるようにすること、次に、一つ一つの野菜の機能や料理法やトレーサビリティー(誰がどのように作ったか、栽培過程がたどれる)の情報をきちんとお伝えすることだと考えています。

  PageTop

手をかけなくても、おいしい野菜料理はできます。
<村上 祥子氏
管理栄養士、料理研究家、東京と福岡でクッキングサロンを主宰>

手をかけなければ、おいしい料理はできないと思っている人が多いですが、そんなことはない。出来立てのものはおいしいんです。たとえば、ブロッコリー、カリフラワー、にんじんを一口大に切って塩・こしょうをふり、バターをのせてクッキングペーパーに包み、電子レンジで一分ほど加熱すれば、野菜の3色蒸しができます。こんなふうに簡単な食べ方もいろいろありますので、工夫してみてはいかがでしょう。

子供たちにも料理を教えてていますが、音がしたり、いい匂いがすると、「作る」ことの楽しさが実感できるんですね。嫌いな野菜が入った蒸しカステラでも自分で作ると食べるんです。料理へのそうした興味がどんどん育っていくように、お母さんたちには、子どもたちが台所でジャマしても見守ってほしい。大人になってからの食生活に影響するという点でも、毎日の食事はとても大事です。
私は、「肉または魚を食べるときは、野菜はその倍食べよう」をモットーにしています。トンカツ用の豚肉一切れでも、またブリ一切れでも約100グラム。生シイタケやピーマンも1パックは約100グラムですから、1 切れの肉か魚を買ったらお野菜は、倍の2パックと心がけています。もったいないから何とか食べましょう、となれば、自分の健康も知らず知らずに保証されていくのではないでしょうか。

  PageTop

野菜の摂取不足は深刻。アメリカのような啓発運動が急務です。
<中村 靖彦氏 コーディネーター、明治大学客員教授、農政ジャーナリスト>

野菜が健康に良いことは、誰もが認識していることです。しかし野菜の健康機能について、今日のように具体的に、がんをはじめとした生活習慣病とのかかわりを提示していただきますと、野菜の摂取不足が私たちにどれほど深刻な問題か、よくわかりました。また毎日のバランスのとれた食事がいかに大切かもわかりました。

日本人の野菜摂取を促進するためには、たとえば、野菜の消費拡大に成功したアメリカの「5 A DAY 運動」(※)は良いお手本だと思います。これは一日に5サービング以上の果実・野菜を食べようという啓発運動です。1 サービングというのは、野菜は生でも調理済でも1/2 カップ。葉菜なら1カップなどが目安。国民の健康増進キャンペーンとして政府の支援も受け、野菜消費は年々拡大しています。日本でも、わかりやすく実施しやすい啓発運動を早急に展開すべきです。

また今日は野菜の食べ方について興味深いヒントをいろいろいただきました。たんぱく質が私たちの体を作り、炭水化物がエネルギーになるように、野菜は私たちの健康を作るのだということを肝に銘じて、食事に野菜を大いに取り入れ、野菜の摂取不足解消に是非役立てたいものと思います。

※The 5 A Day for Better Health Program のこと。
‘86 年に健康増進のために、カリフォルニア州保健省の消費者啓蒙事業としてスタートした。ちなみに1サービングのサイズとしては、他に次のようなものが挙げられている。冷凍または缶詰野菜:1/2 カップ、果実:中サイズ1個、カット果実:1/2 カップ、100%ジュース:3/4 カップ、調理済み豆類:1/2 カップ、他。


  PageTop
 Copyright(c)2005 v350f200.All Right Reserved.
 
サイトマップへ