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疫学研究でみる野菜・果物摂取と健康の関係
 
 1.野菜摂取と健康の関係

b.全般的な健康状態と野菜摂取の関連

この分野の研究はそれほど多くは報告されていません。また、野菜や果物の摂取量との関係ではなく食生活全般として比較したものが大部分でしたが、2003年以降には野菜の摂取量をみた重要な報告が出されています。すなわち、2001年までの研究では食事の評価をスコアにして、健康的な食事とそうでない食事との間で死亡率や病気の発症率を比較する研究があります。野菜や果物の摂取が多い場合にはスコアが高く、脂肪や動物性食品の多い食事はスコアが低くなります。米国の二つの研究、デンマークの研究はいずれも野菜や全粒粉穀類の多い食事では、全体の死亡率やがんや心臓病による死亡率が低くなることを示しています。

2003年に発表されたデンマークの研究は人口の20%に該当する100万人以上の人々について野菜摂取量と寿命やがん発症率をみています。2005年以来ニュージーランドでは死亡者の原因究明や食生活改善といった規模の大きな研究も発表されています。2007年にはEPICのスペインコホートではやや大規模な研究が報告されていますが、野菜の種類別での有効性が示されています。

 表1 全般的な健康状態と野菜摂取の関連

研究番号 発表年 研究名 対象者数 調査期間 結果の概要
1(3) 2000年 看護婦健康調査(コホート、米国) 67,272 12年 食事を0点から100点(最良)とし、5段階に分ける。心臓病による死亡のリスクは良い食事グループでは下がる。野菜の摂取は最低グループでは、3.3皿、最良グループでは5.3皿。
2(4) 2000年 乳がん調査 プロジェクト(コホート、米国) 42,254 5.6年 食事のスコアを23点を最良とし、4段階に分ける。最良グループでは最低グループに対し、全ての死亡のリスクは0.69となる。
3(5) 2001年 デンマークモニカプロジェクト(コホート) 男3,698
女3,618
15年 全粒紛穀類、野菜、果物を指標として全ての死亡、心臓病死亡が低下。
4(6) 2003年   デンマーク人の20%
1,034,289
5年 デンマーク人の野菜摂取量の平均は270g400gでは寿命が0.8年伸び、がん発症率は19%低下500gでは寿命が1.3年伸び、がん発症率は32%低下
5(7) 2005年 看護婦健康調査と医療専門家健康追跡調査 看護婦:71,910
医療専門家:37,725
4年毎に3回
4年
主要な慢性疾患やがんの発症率は野菜・果物摂取が高くなると低下
6(8) 2005年 ニュージランドの1997年の死亡者の解析 死亡者:17,500 2011年での死亡数の推定 死亡要因の6%は野菜、果物摂取が低いことによるその改善により2011年では22.2%低下すると予測
7(9) 2007年 スペイン
EPICコホート
41,368人 6.5年観察 死亡者562人
根菜、果実的野菜、新鮮な果物でハザードリスク低下
ビタミンCやカロテンとも関連
(文責 池上幸江)

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