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疫学研究でみる野菜・果物摂取と健康の関係
 
 2.果物摂取と健康の関係

b. 心臓病・脳卒中

心臓病、脳卒中は、日本人の死因でがんに次いで第2、3位を占めています。これら循環器系疾患は、心臓および全身の血管に生じる心血管疾患で、高脂血症などによる動脈硬化(「動脈硬化」、「ペクチンでコレステロールが低下」の項を参照)や高血圧(「高血圧」の項を参照)を防ぐことが病気予防のカギとなり、果物の摂取が効果的です。果物摂取と心臓病や脳卒中など循環器系疾患の予防について、アメリカやヨーロッパを中心に疫学研究が行われています。

アメリカで医療専門職に従事している女性39,876人を対象に5年間追跡調査(コホート研究)が行われ、一日に果物と野菜を800g摂取している人の心血管疾患の罹病リスクは摂取量の少ない人に比べ55%減少し、心筋梗塞の罹病リスクは38%減少するなど、循環器系疾患に対する予防効果の高いことが分かりました1)。また、アメリカの成人9,608人を19年間追跡調査したコホート研究では、果物と野菜を一日3回以上食べる人では、一日1回未満の人と比べて、脳卒中の死亡率が42%低く、心臓病の死亡率も24%低いと報告されています2)。果物や野菜を多く食べるグループの死亡率が低いのは、このグループの血液中のコレステロール値や肥満度が低いためであるとし、さらに、血圧が低くなることを通して、心臓病が発症が少なくなることによって死亡率が低くなったとあわせて述べています。フィンランドで1967年から28年間、9208人の男女を疫学調査した結果では、リンゴの摂取量が多いと少ない人と比べて脳卒中になるリスクを男性で41%、女性で39%減少すると報告されています3)。スウェーデリンゴンで1913年に生まれた男性792名を54才から80才まで追跡調査した結果でも、果物を多く摂取している人は、心臓病で亡くなる確率が有意に低いことが明らかとなりました4)。さらに、果物の摂取で心臓病や脳卒中を予防できるとした疫学研究が、近年多く報告されています5)-9)

(文責 田中敬一)

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